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環境修復型養殖:史上最高の漁業

ブレン・スミス
Amy Kumler
新世代の漁師

私の旅の目的の1つは、生態系を取り戻すことにある。1990年代初め、故郷であるニューファンドランド島のタラ漁が衰退した後、私は、カナダ北部でサーモン養殖を行っている漁師たちの仲間入りをした。我々は乱獲や失業の答えが水産養殖にあると確信していた。そして、世界の食を救う新世代の養殖業者と世間から呼ばれた。

しかし、我々の夢は虚しいものとなった。サーモン養殖は、まさに海で行われる養豚産業だった。魚を抗生物質で肥らせ、着色料を使い水路を汚染し、もはや魚とも食物とも言えない家畜を育てるというものだった。

幻滅した私は、それでも海に残る術を模索し続けた。海で生計を立てながら、海の生態系を犠牲にしない方法だ。そうして行き着いたのが、ニューヨーク州とコネチカット州の間にあるロングアイランド湾だった。そこでは、先見の明のある連邦監督官たちが、若い漁師たちを新たな産業に引き込もうと数十年ぶりに採貝用地を開放していた。ここから、15年に及ぶ私の環境修復型養殖への旅が始まった。

ムール貝との出逢い

ムール貝をはじめとする貝類は、海を枯渇させるのではなく、修復させる養殖が可能であることを私に教えてくれた。養殖家として私たちが育てた作物が、海中の生命を蘇らせつつ、地元のコミュニティに食をもたらすことができるのだ。我々が育てるムール貝は、その海域にある窒素と炭素をろ過し、何百種もの海の生物のすみかに活気をもたらしている。

持続可能性の観点で言えば、ムール貝などの貝類は、海を超えて陸の恵みにさえ衝撃を与える。餌、肥料、新鮮な水といった材料が全く不要で、地球上で最も持続可能な形で食物生産を可能にするからだ。

環境修復型の養殖業は、今も昔も存在する産業だ。ムール貝の養殖は、13世紀に始まり、フランスの西海岸にあるレギュイヨン湾で難破したアイルランド人によって初められたとされている。もともとは鳥を捕獲するために長い支柱に網を張っていたのだが、その支柱が瞬く間にムール貝の稚貝で覆われたのだ。そして、ムール貝養殖は大いに評判を呼び、レギュイヨン湾は「スティック(棒)の湾」として知られるようになった。それから数世紀が経ち、米国の沿岸にもメイン州のBang’s Island Mussels、カリフォルニア州のCatalina Ranch、ロードアイランド州のAmerican Musselといったムール貝養殖業者が現れるようになる。彼らは、絶え間ないイノベーションが続く時代の中で、伝統を守り、今でも古き良き仕事を続けている。

多様性のある未来

環境修復型養殖の未来は、単作ではなく複作にあるだろう。地球上の海には何千種もの食用貝や海藻類が存在するが、世界中で養殖が行われているのはほんの一握りにすぎない。我々、環境を考える養殖業者団体GreenWave(グリーンウェーブ)では、多品種一体の養殖技術の開発に必死に取り組んでいる。最近では、ウッズホール海洋研究所、コネチカット大学、米国海洋大気庁(NOAA)と連携して、我々が所有する20エーカー(約8.1万平方メートル)の養殖場で、更に多様性に富んだ養殖を行うべく、ムール貝、牡蠣、昆布を海中に縦に並べて養殖する方法を進めている。

養殖業者たちにとって、ボトムアップから食のシステムを築くというのはどの世代も経験したことのない、初めての機会となる。1979年、「海洋保全の父」と呼ばれる海洋学者ジャック・クストーは、このことをこう予見している。「私たちは海を育てなければならない。ハンターではなくファーマー(養殖)として海を利用するのだ。養殖が狩りに換わることこそが文明だ」

これは産業漁業、農業、養殖業による過ちを回避するチャンスだ。遺伝子組換えされたサーモン、海産物の偽装表示、トロール漁船を一掃できる。みんなで二枚貝と海藻を食卓の中心に考えよう。そして、海を守るものを育て、気候変動の問題に取り組み、地球に恵みを与えようではないか。環境修復型養殖とは、食物に対する正しいあり方であり、海で働く人々が生き生きとした地球で生活できることだと思う。

そして、人と地球のためになる良質な食物は間違いなく美味しいはずだ! 私の中で人生最高の食事のひとつは、イヴォン・シュイナードの自宅で料理の達人たちとにぎやかに過ごした、とある午後だった。文字通り、何種類ものさまざまなムール貝料理をいただいた。どの料理にも独創性があり、正しく扱えば、ムール貝には喜びと希望をもたらす新たな「風土料理」の突破口となる可能性が秘められていることを教えてくれた。

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