野生のサーモン、シャチ、公共用水域を保護しよう
Photo: 〈ワイルドフィッシュ・コンサーバンシー〉
産業的な囲い網サーモン養殖場が、希少な天然サーモン、そしてそれを食べるサザンレジデント・シャチを絶滅の危機にさらしています。パタゴニア プロビジョンズは〈ワイルド・フィッシュ・コンサーバンシー〉と協力し、ピュージェット湾から商業用囲い網を永久に追放するために取り組んでいます。ぜひご支援ください(下部に署名のリンクを掲載しています)。ピュージェット湾にサーモン養殖場を持つクック・アクアカルチャー社から囲い網のある場所をリースし、同社を追い出して生息地を取り戻す計画を立てています。
ピュージェット湾を取り戻せ
Photo by Ben Moon
活動の理由
囲い網サーモン養殖場とは?
囲い網サーモン養殖場とは、家畜化した食用魚を商業目的で多数飼育する海の肥育場です。魚を、海底に固定した枠から吊り下げた網に集め、商業用のペレット飼料を与えて短期間で成長させます。陸上の肥育場に比べ、囲い網は比較的低コストで運営できます。所有者は公共用水域を使い、廃棄物や他の汚染物質をそのまま排出しているからです。
Photo: Tavish Campbell
寄生虫と病気
どのような肥育場でも、家畜(この場合はサーモン)の密集は、寄生虫、ウイルス、その他の病原体にとって最適な繁殖環境を作ります。ウオジラミの蔓延は養殖サーモンだけでなく、回遊中の天然サーモンにも壊滅的な影響を与えます。囲い網の中ではウイルスや病気が短期間で広がり、周囲に生息する野生の魚に感染することも珍しくありません。
Photo: SeaLegacy
汚染
囲い網が毎年何トンも垂れ流す魚の排泄物に加え、養殖業者は魚が死なないように、大量の駆除剤、抗生物質、その他の薬品を使用します。このような化学物質は網を簡単に通過し、周囲の海に広がって、天然サーモンや他の海洋生物に影響を与えます。一部の工場では、何千リットルもの加工廃水(大半が寄生虫やウイルスの混じった血液)が近くの海に直接放出されています。
Photo: Tavish Campbell
外来種
囲い網サーモン養殖場では、これまで何度も大事故が起き、外来種のサーモンが大量に逃げ出しています。最近では2017年、ピュージェット湾北部にあるクック・アクアカルチャー社のサイプレス島養殖場が崩壊し、26万匹以上もの外来種のアトランティックサーモンが逃げ出しました。この外来種は何百キロもの範囲に広がり、感染力の強い魚類ウイルスを持っていたことが後で明らかになりました。
Photo: April Bencze
絶滅危惧種
州および連邦機関が年間何千万ドルもの公金を費やして絶滅を危惧する野生のサーモンとサザンレジデント・シャチの保護に取り組む一方、囲い網サーモン養殖場は、それらの種に悪影響を与えることがわかっていながら、民間の多国籍企業の利益のために操業しつづけています。
Photo: Eiko Jones
飼料の問題
囲い網養殖場のサーモンはペレットを食べます。しかしこのペレットを作るために大量の小魚が捕獲され、野生のサーモンの重要な食糧が奪われています。多くのペレット飼料は、魚を密度の高い肥育場で生かすための化学物質や薬品を含みます。また、養殖場育ちのサーモンは灰色がかった白い身のため、美味しそうに見せるために発色剤も配合しています。
Photo: Dave Donaldson/Alamy Stock
『アーティフィッシャル』
養魚場と孵化場に関するパタゴニアの映画