グレインズ(穀物)
セイバリー・グレインズ、スープ類、ビール類に使用しているオーガニック全粒穀物は、植物の成長に必要な栄養の塊であり、人間の健康にも有益です。これらの原料はリジェネラティブ・オーガニック農法を実践する少数の農家から調達し、農業を通じて土壌の健康を回復しています。
太平洋岸北西部産ソバの実
緑色の葉がルバーブを思わせるソバの実は、何千年も前から栽培されています。
ソバは現在、リジェネラティブ・オーガニック農法に適した穀物として注目されています。ソバは雑草や土壌の浸食を自然に抑制し、オーガニック栽培すれば(パタゴニア プロビジョンズのソバのように)土壌の健康を改善します。輪作すれば肥料は少量で済み、除草剤や殺虫剤なしで育つうえ、花の蜜によって益虫や花粉媒介者を引き寄せます。
食物繊維、タンパク質、必須ミネラル(マグネシウムなど)、ビタミンを豊富に含むソバは、私たち人間にとってまさにスーパーフードです。調理も簡単で、小さな実を軽く炒ったときの芳ばしい香りがたまりません。パタゴニア プロビジョンズのソバの実は、ワシントン州立大学のブレッド・ラボの植物品種改良プログラムが指導するワシントン州スカジットバレーの農家から調達し、オーガニック・ツァンパ・スープとセイバリー・シードに使用しています。
Kamut®(カムット)コーラサン小麦
黄金色で粒の大きな古代品種であるカムット・コーラサン小麦は、1930年代にエジプトからアメリカに持ち込まれました(伝説によると、この穀物はツタンカーメン王の墓で発見されたそうですが、現在のイラク、イラン、トルコ、シリアの一部にあたるメソポタミアが起源である可能性が高いと言われています)。
モンタナ州の農家ボブ・クインは、より広範なアメリカの市場にコーラサンを広め、カムット(古代エジプト語で「小麦」)の商標を加えました。これにより、ハイブリッドや遺伝子組み換え作物(GMO)ではなく、原種で有機栽培された小麦だけをカムットと呼ぶことができます。
大麦(ツァンパ)
パタゴニア プロビジョンズのツァンパ・スープは、カナダ、サスカチュワン州の平野で栽培されています。
大麦は、栄養価と香ばしい風味を高めるため、ヒマラヤで古くから行われてきた方法で発芽させ、ローストされています。すでに加熱されているため、調理に時間はかかりません。
ヒマラヤの文化と料理の中心であるツァンパとは、煎った大麦を挽いた粉です。栄養価の高い粉をお茶と混ぜたり、丸めたりすることが多く、高山に登るシェルパの携帯食糧として何世代も前から利用されています。パタゴニア プロビジョンズのオーガニック・ツァンパ・スープは、ヒマラヤのツァンパをイメージしつつ、大麦を粉にするのではなく砕くことで粒の食感を残した仕上げになっています。
カーンザ
カンザス州サライナの〈ランド・インスティテュート〉が開発した多年生穀物のカーンザは、リジェネラティブ・オーガニック農業の看板作物と言えます。
大量のひげ根は4メートルほどの長さで、少なくとも従来の小麦の2倍以上の深さまで地中に伸びます。この強い根が表土を守り、何百万もの有益な微生物の住処となって、大気中の炭素を土壌中に固定します。粒が細長く、香ばしくてスパイシーな風味が魅力です。
はじまりはヒマラヤから:ツァンパ・スープ
1970年代、パタゴニア創業者のイヴォン・シュイナードは、ネパールのシェルパたちから、ヒマラヤのパワーフード、ツァンパについて初めて教わりました。
「あらゆる食べ物の中で最高のものだと感じた。ヒマラヤの旅に出る前よりも健康になって帰ってくるほどだった」とイヴォンは話します。
ヒマラヤではツァンパの粉が登山中に便利な携帯食として利用されます。この栄養食からインスピレーションを得たイヴォンは数十年にわたり、大麦を含むさまざまな穀物を焙煎し、乾燥させた野菜スープを加えたミックスを作って、世界中の登山に持って行きました。2012年にパタゴニア プロビジョンズを設立したとき、彼の努力はオーガニック・ツァンパ・スープとして日の目を見ました。発芽させ、煎った全粒大麦とソバの実を混ぜ、さいの目に切ったタマネギ、ニンジン、ピーマン、ケール、マッシュルームを加えています。このスープだけでも十分なエネルギー源となりますが、ワイルド・ソッカイ・サーモンやその他のトッピングを加えても美味です。イヴォンのお気に入りは、エクストラバージンオリーブオイル、ワイルドサーモン、ヤクのバターのトッピング。ヤクのバターが手に入らないときはパルメザンチーズの粉で代用可能です。