リジェネラティブ・オーガニック
カンファレンス 2024 Fall
国内の畑地システムにおける実践とこれからの発展に向けて
昨年春に続き、2回目の開催となる『リジェネラティブ・オーガニック カンファレンス 2024 Fall』では、日本国内の畑地システムをテーマにしています。国内の畑地でどのようにリジェネラティブ・オーガニック農法を実践することができるのか、その現状と課題を整理することで、大地にしっかり根を張った発展に繋げていく機会にしたいと考えています。
皆さまのご参加をお待ちしています。
開催概要
■ 日時:
2024/10/10(木) 13:00〜17:30
■ 参加費:無料 ※要参加申込
■ 参加方法:オンライン視聴
※参加申込者に限り、後日、期間限定のアーカイブ配信を予定
■ 申込締切:10/7(月)18:00まで ※申込受付終了しました
■ 主催:パタゴニア日本支社
■ 後援:リジェネラティブ・オーガニック・アライアンス
参加のお申し込みありがとうございました
10月8日(火)10:00に、パタゴニアから「『リジェネラティブ・オーガニック カンファレンス 2024 Fall』(10/10 13:00- )オンライン参加方法のお知らせ」の件名で、当日のオンライン参加方法をご案内するメールを送信しております。
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開催趣旨
地球を修復するための解決策としての農業についての議論を国内に広げ深めていくため、昨年春に国内初の『リジェネラティブ・オーガニック カンファレンス 2023』を開催しました。そして現在、「土壌」や「耕さない管理」、「リジェネラティブ農業(再生農業など、呼び名多数)」、「環境により良い農業とはどのようなものなのだろうか?」といったトピックに関する興味関心は高まり、議論や業界的なアクションも活発になってきました。
2回目となる今回はリジェネラティブ・オーガニック農法の実践とこれからの発展に向けて「畑地システム」をテーマに、専門家と国内の先進的実践者をお招きして、パタゴニアがめざす農業のあり方をあらためて提示するとともに、国内の具体的な取り組みをご紹介いただきます。共通の理解を持ち、議論を整理することで、個々の行動や協力すべきアクションを考え、実際の進展につなげる機会となることを願っています。
2017年、パタゴニアは複数の団体と協同で「リジェネラティブ・オーガニック認証」を制定しました。パタゴニア日本支社も2021年から国内で取り組みを進めています。全体論的システムである「リジェネラティブ・オーガニック」は、土壌の健康・動物福祉・社会的公平性の3つの柱で構成されています。今回は、この3つの柱のうち「土壌の健康」の、さらに畑地システムをテーマとしています(「水田システム」については次回開催予定)。
タイムスケジュール
12:30 | オンライン開場 | |
13:00 | 開会 | |
13:00〜14:20 | 第1部 | リジェネラティブ・オーガニック農業と土壌生態学からの視座 ⚫︎ パタゴニア 近藤勝宏、木村純平 ⚫︎ 福島大学 金子信博 「土壌生態系をリスペクトする農業」 |
14:20〜14:30 | 休憩 | |
14:30〜16:10 | 第2部 | 実践者による事例紹介とセッション ⚫︎ SHO Farm 仲野晶子 「再生型農業のエコフェミニズム的転回とその実践」 ⚫︎ Three little birds合同会社 佐藤真吾 「土地利用型作物での不耕起有機栽培の技術的探求」 ⚫︎ メノビレッジ長沼 エップ・レイモンド、荒谷明子 「大地再生農業~土に倣う農と暮らし」 ⚫︎ はちいち農園 衣川晃 「消費者を巻き込む耕さない畑のアイスクリーム」 実践者によるディスカッション |
16:10〜16:20 | 休憩 | |
16:20〜17:20 | 第3部 | 農業をともに発展させる研究の取り組み ⚫︎ 茨城大学 小松﨑将一 「農家との連携が切り開く不耕起有機栽培の現状と未来展望」 ⚫︎ 神戸大学 庄司浩一 「栽培のための農業機械、機械にあわせる栽培体系」 ⚫︎ 北海道大学 内田義崇 「多年生穀物カーンザ:未来に根ざした選択肢」 |
17:30 | 閉会 |
※詳細を調整中のため、内容に変更の可能性があることをご了承ください。
登壇者プロフィール
金子 信博
福島大学 特任教授
森林の物質循環を支える土壌動物の多様性と機能を皮切りに里山の萌芽林、焼畑、土壌汚染など、そして、耕さない農地について研究してきました。主要な著書に「土壌生態学入門 (2007)」「土壌生態学(編著)(2018)」。「ミミズの農業改革(2023)」。日本の大学院で初めてのアグロエコロジープログラムを福島大学大学院食農科学研究科に開設。2024年3月、定年退職。横浜国立大学・福島大学名誉教授。福島大学特任教授。
仲野 晶子
SHO Farm 代表
写真:金子怜史
土壌化学を専攻し、農学修士号を取得。中学理科教員として勤務後、2014年より、神奈川県横須賀市でパートナーの翔と共にSHO Farmを開園。ジェンダー平等を目指し、2022年より代表となる。再生型農業の実践をフェミニズムに接続することで、環境再生と社会正義の両立を目指す。
佐藤 真吾
Three little birds 合同会社 業務執行社員、 農事組合法人 栄営農組合 理事
写真:今井慎治 (LOVEG)
地震災害や気候危機などの思いから、ソーラーシェアリングと有機農業を合わせて推進すべくThree little Birds合同会社に関わる。また、RO認証取得に向けてパタゴニア日本支社と協同しており、プロビジョンズの味噌製品の原料大豆を生産している。併せて、自身で水田の有機米の生産を広げ、地域でも取組を拡大すべく働きかけている。
エップ レイモンド&荒谷 明子
有限会社メノビレッジ 長沼
1995年より北海道馬追丘陵の北端でメノナイト キリスト教会の仲間とともに有機栽培農園メノビレッジ長沼を開始。CSA(Community Shared Agriculture)や多種多様ないきものが関わり働き合う大地再生農業(Regenerative Agriculture)に取り組み、農園には米・小麦・各種野菜・羊・牛が育つ。
衣川 晃
はちいち農園、(株)SOYSCREAM JAPAN 代表取締役
手作業による丁寧な農業に魅せられ、2017年より不耕起栽培を実践し2018年神奈川県茅ヶ崎市にて新規就農。非効率から生まれるストーリーを楽しむことによって関わる人たちが自然と増え、農園を支えるコミュニティを形成。野菜作りを通じて体験や思い出を作り、農作物と一緒に自らを育て収穫を分け合う。
小松﨑 将一
茨城大学 教授
1964年生まれ、博士(農学)。茨城大学農学部農業工学科卒業後、茨城大学農学部附属農場助手、准教授、ノースカロライナ州立大学客員准教授を経て現職。日本農業工学会賞受賞。主な著書は、『有機農業大全ー持続可能な農の技術と思想ー』コモンズ刊。大学農場内にカバークロップと不耕起有機栽培の長期輪作圃場を設置し、農業生産性や土壌生態系の動態に関する研究に従事。
庄司 浩一
神戸大学大学院農学研究科 准教授
耕うんから籾摺りまで農業機械を専門に、その場反転プラウ、収量コンバインに続き、水田除草機の改良や不耕起田植機・播種機の開発など、RO農業に使える小型農機群を開発中。二年前より附属食資源教育研究センター(農場)勤務、研究と並行して水稲・ダイズの生産と学生実習を担当。農業食料工学会・農作業学会正会員。
内田 義崇
北海道大学大学院農学研究院 准教授
北海道・幌加内町生まれ。長野、九州、東京、ブラジルなどで育つ。 2009年ニュージーランドのリンカーン大学農業科学部で牛の放牧と環境負荷の関係を研究し、博士課程を修了。つくばの研究所で土に棲む微生物の研究をし、2013年から北海道大学へ。 北海道大学大学院農学研究院に環境生命地球化学研究室を立ち上げ、現在は准教授としてこの研究室を運営している。第21回日本農学進歩賞受賞。
近藤 勝宏
パタゴニア プロビジョンズ・ディレクター
1995年パタゴニア日本支社に入社。マーケティング部門のマネージャー等を経て、2016年、パタゴニアの食品事業「パタゴニア プロビジョンズ」の日本市場の責任者に就任。同年、同事業を日本市場で立ち上げ、いまに至る。日頃からサーフィンやスノーボードなどを愛好し自然と親しみながら、自然に則した農法による米作りや農業に挑戦し、より環境負荷の少ないライフスタイルを探求している。
木村 純平
パタゴニア プロビジョンズ、リジェネラティブ・オーガニック リサーチ担当
2020年パタゴニア日本支社入社。リジェネラティブ・オーガニック農業を日本国内で推進することを担っている。共感者・賛同者・実践者を国内に増やし、農業やフードシステムを環境再生可能なものへと移行させていくことを通じて、社会変容に繋げていくサポートを行なっている。
アウトドア企業のパタゴニアは「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む」をミッションステートメントに掲げ、1996 年に製品に使用するコットンをすべてオーガニックコットンに切り替えました。2016 年には食の流れを修復するために、責任ある方法で調達された食のコレクション「パタゴニア プロビジョンズ」を日本で開始。リジェネラティブ・オーガニック認証は、現在600万haを超える農地、250を超える農場や牧場、6万人を超える小規模農家がグローバルで認定を受けており、パタゴニア日本支社は日本国内での認証事例づくりに向けて、協同者の方々と取り組みを進めています。